2017年度研修講座
※2017年度研修講座の募集は終了しました。

・Aコース
・Bコース
・Cコース
・SANE:性暴力被害者支援看護職養成コース
【会 場】 東京有明医療大学
住所:東京都江東区有明2-9-1
交通:りんかい線(大井町—新木場)「東雲(しののめ)駅」から徒歩約13分
ゆりかもめ線(新橋—豊洲)「有明テニスの森駅」から徒歩約10分
都営バス(東京駅八重洲口・丸の内口から、門前仲町から)「有明小中学校前」から徒歩約2分
■日程■
第1期:2017年7月8日(土)・9日(日)
第2期:2017年11月11日(土)・12日(日)
第3期:2018年 2月24日(土)・25日(日)
A,B,C各全期、SANEを修了した方に修了証を発行しています。
研修講座は、支援の最先端をわかちあえる場です。
A コースは、多様な現場で支援に取り組む講師が、最新の情報や知識をギュッとむすんで、お伝えします。全国の被害者支援に関心のある参加者の皆様とのつなが りをつくる場ともなっています。支援者として活動している方、これから活動しようとしている方、すべて対象です。できるだけ全期ご参加ください。(定 員:80名)
Bコースは、講師の話の深まり、広がりの中でそれまで抱いていた疑問や悩みを越えて新たな世界が開けていく、そんな講座を揃えています。支援の最先端をわかちあえる場となります。Aコース(2010年度までは基礎コース)全期を修了した方が対象です。(定員:30名)
Cコースは、隔年で実施しています。次回は2019年度の予定です。AとB各全期、またはAコース全期とSANEコースを修了した方が対象です。全期すべてに参加することが条件です。女性会員限定。(定員:20名)SANEコース(性暴力被害者支援看護職養成講座)は、看護師・助産師・保健師の方が対象です。原則としてAコースを先に修了していること、全期すべてに参加することが条件です。女性限定。(定員:30名)
■募集参加要項・申込■
次の4種類の方法からお選びいただき、お申し込みください。
5月25日(木)必着です。
◆【講座お申し込みフォーム】はこちら(このページ一番下にもございます)
◇参加申込用紙をFAX(03-5486-1412)
◇E-mailで参加申込用紙を添付または必要事項を入力の上送信(shienkyo@vega.ocn.ne.jp)
◇参加申込用紙を郵送
(女性の安全と健康のための支援教育センター〒113-0033 東京都文京区本郷1-25-4 ベルスクエア本郷7階)※募集要項・参加申込書のダウンロードはこちら
■プログラム概要■
プログラムは3期に分かれています(すべて土日)。
事情により予告なく講座の順番や講師が変更になる場合があります。(プログラムのダウンロードはこちら、講師一覧はこちら)
*2017年11月9日 変更および修正があります。青字部分をご覧ください。
●Aコース
A1 ワーク:多様化社会とは 朴 和美まずは自己紹介などを通して、研修参加者同士が知り合いましょう。単一民族・文化・言語神話による同化圧力の 強い日本社会で、多様化社会を実現するためには一体どんなことが必要なのかを一緒に考えていきます。
A2 被害者支援にどう取り組むか 丹羽雅代
暴力を受け困難な生き方を強いられる女性への支援についての法律や仕組みが作られてきているが、決して十分で はない。どのように制度を補いつつ支援に取り組んでいくか、一緒に考えたい。
A3(1 期)・A11(2 期)女性への暴力と社会構造 1 総論 2性暴力 角田由紀子
なぜ、女性への暴力が肯定され、助長され、容認されてきたのか。社会構造へ深く視野を拡げることで問題の核心に迫り、より確かな支援者を目指す。1 総論 2性暴力をテーマに批判的考察を試みる。
A4 女性への暴力被害相談 : 基本的な考え方と実際 池田ひかり
DV や性暴力などの被害を経験した女性に対する支援の基本姿勢や心理教育、情報提供の仕方、関係機関との連携 のとり方、相談時の配慮など基本的なことを学ぶ。
A5 行政の各援助制度の基本的な活用 鈴木純子
DV被害女性などへの万全で包括的な支援システムは、未だ確立されていない。支援者は縦割りの各制度を充分に把握して、当事者の最大利益を確保できるよう、有効に制度活用できる力をつけよう。
A6 リプロダクティブ・ライツ 1 わたしのからだは、わたし自身のもの 大石恵子
女性の相談・支援においては相談者が表面に出すか否かは問わず、女性のからだと性のさまざまな問題が深く関わっ てくることが多い。支援者自身の「リプロダクティブ・ライツ」の視点からの女性のからだと性の理解を深めたい。
A7 サバイバーとアディクション 湯本洋介
暴力被害を受けた人のトラウマと、アディクション(嗜癖)ーアルコール・薬物依存、摂食障害、買い物嗜癖、ギャ ンブル依存などの基礎知識、医療的ケアと回復について専門医に学ぶ。
A8 回復する力:“ その後の不自由 ” 上岡陽江
子ども時代の被虐待経験やその後の性暴力被害、DV 被害、薬物中毒、売春という「犯罪」など、たび重なるトラウマを生き延びてきた女性たちの物語から、回復の道筋をたどる。
A9・A10 ワーク:対人援助の基礎を学び、実践する 金香百合
当事者の回復とエンパワーを支援する対人援助者としての自覚をもち、自らの言動や価値観に対する敏感さを磨く。 自己理解・他者理解・社会状況を総合的に深める。人間理解として、自尊感情や暴力の連鎖についても学ぶ。
A11 女性への暴力と社会構造 2性暴力 角田由紀子 (A3 参照)
A12 リプロダクティブ・ライツ 2 歴史の中の女性のからだと性 三輪和惠
歴史のなかで、女性のからだと性があつかわれてきた不当性に対して、明確に抗議の主張を掲げた近代日本の女性 たち、彼女たちの主張をいまこの社会に生きる私たちは、学びさらに今後に活かしたい。
A13 相談・支援の現場で必要な法的知識 森 あい・片岡麻衣
DV、性暴力の支援において、司法のしくみはどうなっているのか。関連法律にはどのようなものがあるのか。弁 護士の役割や探し方についても知る。
A14 DV/ 暴力を体験するということ 中島幸子・西山さつき
親密な相手からの暴力は女性にどのような混乱をもたらすのか。そのしくみを知り、DV からの回復のために必要 なことについても考える。
A15 女性の貧困 加藤 歩
「自立」とは、ひとりで生きることではなく、つながりの中で生きること。これが自立生活サポートセンター「もやい」 の活動指針です。2008 年過ぎから、もやいにも女性相談が増えてきました。民間の取り組みの現状を伝えます。
A16 記録のとり方 池田ひかり
記録をとる目的、支援に役立つ記録の書き方・活用の仕方、記録の開示などを具体的に学ぶ。
A17 性暴力被害と支援 山本 潤
性暴力という言葉が聞かれるようになって久しいが、性暴力とは何か、どういう体験であるのかという事が理解 されることは少ない。性暴力は被害者に何をもたらすのか、その影響と必要とされる支援について共に考える。
A18 セクシュアリティを学ぶ:ジェンダー規範という暴力 岡田実穂
人口の6〜 10%はセクシュアル・マイノリティであると言われています。その実際を知らなければ、その人たちの 困難に気付くことはできません。まずは様々なセクシュアリティを学ぶ中から、性の多様性を理解していきましょう。
A19 DV、性暴力被害ー 警察と連携するには 成澤知美・稲吉久乃
被害に遭った方の支援をするためには基本として、性暴力と性犯罪の違い、司法の流れなどを知っておく必要がある。これらについて説明したうえで、事例を用いながら支援における留意点について考える。
A20 リプロダクティブ・ライツ 3 医療と女性の人権 大橋由香子
健康な子宮や卵巣を営利のために切除した富士見産婦人科病院事件。旧優生保護法において本人の同意なく行われた不妊手術。こうした現実に対抗する、女性の身体や健康、医療に関する考え方について。
A21 今日の女性労働問題ー なぜジェンダー格差はなくならないのか 浅倉むつ子
支援員として働く人にとっても、相談現場で出会う人にも、現実の労働問題を理解することは重要である。日本 の企業は女性労働者をどう扱っているのか、なぜ雇用におけるジェンダー格差はこれほど大きいのか、考えてみ たい。
A22 DV、性暴力とトラウマ 菊池美名子
女性に対する暴力は、女性の身体だけでなく、こころにも深い傷を残すことが多い。その後 PTSD と呼ばれる精 神症状に長く悩まされることもある。心の傷と回復について、最前線の治療援助、調査研究を知る。
A23 子ども虐待:チームによる支援の取り組み 松田博雄
日本で早くから子ども虐待の早期発見や親支援を行ってきた(福)子どもの虐待防止センター:CCAP。他職種専 門家チームの実践や虐待に関連する発達障害の支援などを紹介する。
A24 女性の自立支援とは何か 熊谷真弓
女性問題の視点から女性福祉を考え、母子生活支援施設、生活保護女性更生施設、精神障がい者生活支援施設な どの現場で働いてきた講師の経験から学ぶ、女性の自立支援の課題、関係機関との連携、そして支援職について。
●Bコース
B1 性暴力支援にどう取り組むか:性暴力救援センター 山本 潤
今、各地で性暴力救援センターが立ち上がっている。被害者を支援し、権利を回復できる救援センターの機能と役 割とは何か。被害当事者の視点から救援センターの在り方を考える。
B2 リプロダクティブ・ライツ 4 医療と女性の人権 柘植あづみ
体外受精、代理出産、出生前検査・・・生殖技術が進展する一方で、女性たちが被る精神的身体的苦痛は語られること が少ない。妊娠 ・ 出産 ・ 不妊治療 ・ 流産 ・ 婦人科診療をめぐる女性たちの語りから医療における女性の人権を考える。
B3・4 ワーク:相談・支援の場で必要な面接技法 丹野眞紀子
非言語的コミュニケーション技術の重要性を理解し、相談面接で利用者と向き合う際に活用する技術やストレング スを応用した面接技法を具体的に学び自分の面接に役立てよう。
B5 性的マイノリティとは 麻鳥澄江
性別は男女の2区分、恋愛といえば異性愛=男女愛だけと教育されてきたが、現実はもっと広くて深い。決め付け からくる誤解や差別を点検し、法律や社会が多様な個性に対応するよう後押ししていきたい。
B6 支援者自身の労働状況を考える 石塚純子
公的機関の相談窓口の女性相談員など、実は非常勤職という立場で厳しい労働条件のもとに、被害女性の自立支援 にあたっていることが珍しくない。女性に対する暴力の背景にある社会矛盾を自分の働く場から俯瞰してみよう。
B7 行政の各援助制度の主体的な活用 鈴木純子
DV 被害者支援における主な相談ケースとその支援を考える中で、“ 被害者支援とはなにか ” について、支援者側の 視点と立ち位置をふり返り確かめよう。
B8 司法における支援:検察庁 東京地検(被害者相談室)
検察庁でも独自の被害者支援が始まっている。相談、つきそい支援、他機関との連携の実際など、司法機関ならで はの支援実践を知る。
B9 病院における暴力被害者支援 加藤雅江
医療機関は、被害を発見しやすい立場にある反面、暴力行為を見逃してしまうと、状況をさらに悪化させてしまう 可能性もある。見逃しを防ぎ、暴力被害の早期発見・早期対応のために、効果的な支援について考えてみたい。
B10 シングルマザー、子どもの貧困 赤石千衣子
DV被害そのほかの理由でシングルマザーとなった女性とその子どもたちが直面する困難、壁をどう乗り越えてい けるか。母子世帯を支える公的制度、民間の社会資源の最近の現状についても伝える。
B11 エンパワメントにつなげる安心・安全を与えるアプローチ 髙山直子
人や社会から傷つけられ「信じる力」が小さくなっている被害女性に安心・安全を与えるカウンセリングアプロー チを分かりやすい言葉で紹介し、エンパワメントにつなげる支援に必要な意識とスキルを共有する。
B12 女性への暴力と社会構造 3 家族と法 角田由紀子
女性への暴力を肯定している問題の一つに、古い体制と決別しきれていない家族法がある。戦後作られたことになっているが、 実際には主要な部分で明治時代の家族法を引きついでいる。家族法を批判的な目で再検討し、あるべき家族法をも展望する。
B13・B14 ワーク:スーパービジョンを体験する 小西聖子
支援者が支援される、エンパワメントされることが実感できるミニ・スーパービジョンの体験ワークショップ。
B15 パートナーからの性暴力と回復 中島幸子
夫や恋人など信頼する人からの性暴力は、身体的暴力や心理的精神的暴力、経済的暴力と同様に大きく、そしてこれらとは異なった性質の、深い傷付きをもたらす。それは何故なのかを考える。
B16 感情労働としての支援の仕事 小宮敬子
支援者はいつも共感的で、忍耐強くなければならない— そんな思いに縛られて、自分のほんとうの感情を押し殺 してはいないだろうか。自分をみつめ、負の感情を認めるとき、支援者は自分の真の力を引き出すことができる。
B17 DV被害者相談・支援 池田ひかり
「支配―被支配」関係を見極めつつ、主となる支援課題を明確にする話の聴き取り方について具体的に学ぶ。また、様々な支 援課題を合わせ持つ DV 被害者の見立てのポイントや支援方法について理解を深める。
B18 混乱をもたらすコントロールとは 中島幸子・西山さつき
分かりにくい支配や攻撃の形である「受動的攻撃」について考える。DV の加害者や時に支援者も用いる場合があ る「受動的攻撃」に気づいていく重要性を伝える。
B19 障害のある女性と複合差別 佐々木貞子
障害のある女性は性差別と障害者差別を複合的に受けている。視覚障害当事者である講師も同様だ。障害のある女 性が置かれている現状と、適切な支援のあり方を学ぶことによって、社会の側の課題をしっかり共有したい。
B20 外国人女性への支援 皆川涼子
暴力被害にあった外国籍の女性への司法支援に取り組んでいる援助者から、被害実態や被害女性をとりまく困難な 状況、被害者が外国籍の場合の留意点などを学ぶ。
B21 女性への暴力と社会構造 4 人権と憲法 角田由紀子
女性への暴力が人権侵害であることは了解されつつあるが、人権を支えている憲法とはどのようなものなのか。憲 法が骨抜きにされつつある危険な時代に、女性への暴力をなくすという観点から憲法の大切さを学ぶ。
B22 リプロダクティブ・ライツ 5 女性のからだと性の自己決定権 三輪和惠
女性が生きるうえで、自分自身のからだと性の問題を「リプロダクティブ・ライツ=女性のからだと性の自己決定権」 という視点で明確にすることは重要な課題。その核心問題としての人工妊娠中絶をめぐる諸問題を考えたい。
B23 子ども虐待対応の現場から 山本恒雄
日本における子ども虐待の実態、子ども虐待に取り組む公的機関や民間団体の活動、現状の問題点や今後の課題を 概観する。
B24 ワーク:支援者自身のからだ 竹森茂子
勉強しない学ばない思いきり遊んで頭を解放する講座です。頑張らないでぼ〜っとフンワリいたしましょう。お金払っ て学ばないなんてもったいない、なんて言わないで。頑張ってばかりいると、カチカチの石頭お化けになっちゃうぞ〜!
●Cコース
※参加希望者が 15 名に満たない場合は、中止となります。
◆ C コースでは、「地域で性暴力被害者支援に携わり、性暴力のない社会をめざす仲間を増やし、次世代につなごうとする意欲のある支援者」の養成をめざします。
20 名前後の少人数でのディスカッションや事例検討、ワークを中心に講座を構成しました。講義を聴くだけでなく、積極的に質問し発言し、討論に参加し、裁判傍聴や施設見学などを行い、毎回異なるファシリテータで展開される事例検討を経験しながら支援者としての成長をはかることのできる機会を提供します。
◆参加条件
1.Bコース(全期)またはSANEコースを修了。どちらもAコース(または基礎講座)を全期修了していること。
2.現在、実際に支援活動をしていること(仕事かボランティアかを問わず)。
3.応募時点で事例を必ず提供できること(「事例検討」「ちえのわ」で共有)。
4.2月までの研修期間中、性暴力事件の裁判の傍聴、性暴力救援センター・東京などでの電話相談研修、関連施設 の見学などの実地研修を行っていただきます。(担当スタッフが場を探すお手伝いをします)
5. 女性会員限定。
C1 オリエンテーションと自己紹介 松山容子・丹羽雅代
C コースは参加メンバー全員で力を合わせて育ちあうコースです。こんなことを相談したい、という時、何人かの 顔が浮かび、励ましあえる支援教育センターの根幹を作ることに一緒に参加していただきたい。
C2 支援者としての目標(自己紹介) 進行:松山容子
C3 ディスカッション:リプロダクティブ・ライツ 柘植あづみ
子どもを産む / 産まないを決めるのは誰? 法律上、産まない決定には夫の同意が必要だったり、医師の権限が大 きかったり、意思決定に国家が介入した歴史についてディスカッションしましょう。
C4 性暴力に関わる法律フル活用 角田由紀子
憲法、刑法、DV防止法など人権・性暴力に関わる法はいくつもあるが、法律が社会を自動的によくしてくれるわけではない。 社会を動かそうとする意思を持って法を役立てるのは私たちだ。最前線で関わってきた講師にしっかり学び、後に続きたい。
C5・C6 アセスメントを高める事例研究 丹野眞紀子
インシデント・プロセス事例研究法を応用した事例研究を通して、利用者の理解を深め、支援者の多様な考え方を 理解しよう。ソーシャルワークの事例の考え方をより実践的に学ぶ。
C7 風俗という「仕事」と向き合う 鈴木水南子 + 丹羽雅代
「セックスワーカー」という言葉が流布して久しい。しかしそのさまざまな現場実態をどう見るのか。同時代を生きる私たちのセクシュアリティにどう影響を与えるのか、掘り下げ、対話する時間を持つ。
C8 ワーク:感情表出と自分 朴 和美
感情表現は、自分の慣れ親しんだ文化や使う言語によって違ってきます。同化圧力の強い日本社会では、どんな「喜 怒哀楽」が実践されているのかを一緒に探っていきましょう。
C9・C10 ・C11 私の仕事を語るー 困難をどう受け止めるか 進行 松山容子・丹羽雅代
自分の仕事を端的に語ることが多職種連携には欠かせない。いかに相手にわかるようにプレゼンテーションができ るかで、仕事の質が向上する。そういったことを基礎に今の自分の仕事について語ってみる。
C12 刑務所の加害者プログラム 法務省矯正局職員
日本でも刑務所での加害者プログラムが始まっている。どんなことを行い、実効性はどうか。担当者に聞く。
C13 面接技法を磨く 丹野眞紀子
面接技法をブラッシュアップするために非言語的コミュニケーション技術やストレングスをどのように応用するか。
C14 「妊娠 SOS」の支援実践 「妊娠 SOS」メンバー
女性にとって望まない妊娠は、ある意味恐怖ともなる。産むにしても産まないにしても大きなリスクを背負うこと になるからだ。その負担は多くの場合、女性のみに課せられる。その不安や心配に寄り添っての活動を、立ち上げ から現在の課題まで報告する。
C15・C16 事例検討 ファシリテータ:小西聖子
C17 産婦人科外来における支援実践 宮下有希・幸崎若菜 産婦人科には様々な困難を抱えた人が受診してくる。しかし、現状では、医療的な対応しかできていない。そこで、院内に働きかけ支援外来を立上げ、リスクの高い人に対して具体的な支援を始めた。その経緯と成果の報告。
C18 「PAPS」̶AV 被害者相談と支援実践 宮本節子
AV 被害者からの相談は確実に増えているが、できることが見つからないと思いがち。しかし、PAPS の面々は当 事者の声を十分聴いて解決への道を探り出す。その知見に学びながら私たち自身も成長しよう。
C19・C20 見学・体験報告 進行:担当委員
C21・C22 事例検討 ファシリテータ:松田知恵
C23 ディスカッション:改めて仕事を見直す 進行:担当委員
このコースでさまざまな分野での仕事の創生や継続の方法を学ぶなかで、現在、各方面で言われている多職種連携 の本来のあり方、必要性などを自らの仕事を再度振り返りながら確認し、話しあっていく。
C24 ワーク:支援者自身のケア 菊地びよ
誰もが日々出会っているからだという場を心地よくするヒント。からだの記憶も使い方もそれぞれ。このからだ自身は何してる?在りのままのからだとちょっとした動きから変わることを見つけていこう。
●SANEコース
S1 SANE の役割と課題 加納尚美
SANE: 性暴力被害者支援看護職に求められる役割、資質、知識とは。日本の現状に即した中で、どのような活躍 が期待されているのか。
S2 医療者が知っておくべき支援の原則 家吉望み
DV/ 性暴力被害にあった人に医療的ケアを提供するうえで、何に注意すべきか。やってはいけないこと、言っては いけない言葉、SANE だからこそできることや限界について、支援の原則を学ぶ。
S3 ワーク:差別の感覚 朴 和美
差別の感覚を理解するために、見知らぬ人や異なる事象に対する自分の中の寛容度を探ることから始めませんか。 対人支援に携わる者にとって、日々の思考や行動に影響を与えている認識枠組を知っておくことは大事です。
S4 女性の権利と健康 麻鳥澄江
人工妊娠中絶の問題に焦点を当てながら、世界の女性運動の歴史と現在までの流れ、現状を伝える。また、SANE ができる「権利擁護」の行動についてもふれる。
S5 フォレンジック看護の実際 山本 潤
Forensic Nursing は、医学と看護学をベースに法律にかかわる諸問題に対処する看護の新分野で、諸外国では、暴力・ 虐待被害者のケア、加害者対応、触法精神障害者の支援に用いられている。日本のフォレンジック看護の可能性を考える。
S6 被害者の理解:社会(マクロ)編 土井真知
DV や性暴力に関する資料や調査結果から、被害の実態、一般社会で信じられている誤解と事実、社会において被 害者が置かれている状況等を考える。支援の現場でとまどわないために。
S7 DV 相談機関の活用 池田ひかり
虐待対応とは異なる DV 被害者支援の基本的なスタンスや DV 被害者支援体制とその利用方法を具体的に学び、支 援ネットワークの中での医療者が求められる役割について理解を深める。
S8 アメリカの被害者支援の実際 谷 裕子
カリフォルニア州北部での性被害者支援のシステムと、NPO としての危機介入および代弁者(アドボケイト)と しての、SART 現場活動報告。サバイバーに役立つセラピーの紹介。
S9 ワーク:看護の実際 1 三田村博子
DV事例のアセスメントをしてみましょう。
S10・S11・S12 医療における対応:精神科編 PTSD とそのアプローチの実際 白川美也子
PTSD へのアプローチの実際について架空ケースを通して学ぶ。出来事インパクト尺度を用いた心理教育、フュー チャー・タイム・ライン技法を用いた回復にむけての小さな目標作り、リラクセーション技法の習得を目標にする。
S13 ワーク:対人援助の質を高める 金香百合
最も困難な状況にあって、援助者が当事者の回復のためにすべきこと、できることは何か? 対人援助の原点に立ち 返りつつ、自分自身の援助の質的向上をめざす。人間力・社会力・対話力を伸ばし、自分の<ぶれ>の意識化と、バー ンアウトの予防やセルフケアについても備える。ホリスティック・ケアの概念についてもふれる。
S14 性暴力被害者の急性期対応の基本 三隅順子
性暴力被害者に対する急性期看護のポイントを視聴覚教材を用い確認する。
S15 医療における対応:産婦人科編 妊娠、性感染症 丸橋和子
性暴力被害によるからだへの影響はどのようなものがあり、緊急対応と長期的ケアとしてどのようなものが必要か。
S16 医療における対応:身体編 創傷記録 主田英之
身体的外傷の特徴と治癒経過をふまえ、暴力被害に関連する身体的外傷を正確に観察し、記録することは SANE にとって重要な仕事の一部。後に医学的証拠にもなりうるカルテ記載ができるよう、その知識や方法を学ぶ。
S17・S18 ワーク:看護の実際 2・3 家吉望み・中村早希ほか
性暴力のアセスメントのポイントを押さえ、証拠採取や記載方法を演習する。
S19・S20 保健医療対応:子どもの性暴力被害編 子どもの診察と多機関連携 山田不二子
性暴力被害にあった子どもにはどのような症状が起きるのか。性虐待の疑いがあったとき医療者として気をつけな ければならないことは何か。発達過程にある子どもの支援の特徴について解説する。
S21 被害者の理解:当事者(ミクロ)編 中島幸子
夫や恋人など信頼する人からの性暴力は、身体的暴力や心理的精神的暴力、経済的暴力と同様に大きく、そしてこ れらとは異なった性質の、深い傷つきをもたらす。それは何故なのかを考える。
S22・S23 私たちにできる連携 1 2 三隅順子
これまでの講座や地域・職場において得られた情報・知識から、自分たちなりに連携を模索する。当事者の様々なニー ズに応えるための連携作りには何が必要か考える。
S24 保健医療対応:地域保健編 行政の被害者相談と他機関連携 稲吉久乃
犯罪被害者等基本法には国と自治体と国民の責務があるとうたわれている。自治体としての支援を事例を通じて 知って、使っていけるようにしたい。
S25 二次受傷、感情労働、セルフケア 米山奈奈子
被害者支援では、支援者は支援を通して二次受傷を負う危険性がある。特に感情労働の特徴を理解した上でセルフ ケアの重要性を再認識できることを目指す。
S26 性暴力と社会構造 角田由紀子
医療現場は社会に深くつながっている。そこで、当事者の求めに応じることのできる仕事をするには、性と社会と 法律との関係を知って考えてほしい。患者の存在そのものが社会的であることを共に再確認したい。
S27 支援の継続と発展 修了式/ふりかえり 平川和子
SANE での学びについて各自の体験と知恵を出し合い、支援の継続と発展について考える。痛み、涙、笑い、悲し みなどさまざまな感情を自分の変化の糧として、新たな希望や抱負を拓く。