2014年度5月公開講座:いまを生きる女性たちのリアル —貧困と希望の距離—

仁藤夢乃さん、藤原志帆子さん、荻上チキさん・・・・終了しました

【日 時】2014年5月24日 13時30分〜16時30分

【会 場】 東京ウィメンズプラザ ホール
東京都渋谷区神宮前5−53−46

【参加費】1,000円

パネリスト

仁藤夢乃さん
一般社団法人Colabo代表。1989年生まれ。中学生の頃から「渋谷ギャル」生活を送り、高校を2年で中退。その後、ある講師との出会いをきっかけに農業、国際活動に触れボランティア活動をはじめ、明治学院大学に進学。東日本大震災後「Colabo」を立ち上げ、被災地の高校生・地元企業と支援金付大福を開発。

著書『難民高校生』(英治出版、2013)で家や学校に居場所がない高校生を「難民高校生」と呼び、青少年を取り巻く問題を発信。現在、声を上げることのできない少女たちを取材し、「居場所のない高校生」や「性的搾取の対象になりやすい青少年」の問題を社会に発信するとともに、「若者と社会をつなぐきっかけの場づくり」事業を展開し、少女たちの自立支援を行っている。(Colabo-official.netより抜粋)

藤原志帆子さん
人身取引被害者サポートセンターライトハウス代表。
米国NPOポラリスプロジェクトでの勤務を経て、2004年に同団体日本事務所「ポラリスプロジェクトジャパン」を設立を設立(2014年現名称に変更)。
人身取引をなくすために、多言語の電話相談による被害の発見と救済事業を開始した。
人身取引被害を受ける子どもや女性への現場支援の傍ら、児童施設や入国管理局での研修講師としても活動している。
2008年母校ウィスコンシン大学マディソン校より名誉卒業生賞受賞。
2012年AERA紙にて「日本を立て直す100人」に選出される。(lhj.jpより引用)

荻上チキさん
1981年生まれ。シノドス編集長。評論家・編集者。
著書に『ネットいじめ(PHP新書)、『社会的な身体』(講談社現代新書)、『いじめの直し方』( 共著、朝日新聞出版)、『ダメ情報の見分け方』(共著、生活人新書)、『セックスメディア30年史』(ちくま新書)、『検証 東日本大震災の流言・デマ』(光文社新書)、編著に『日本を変える「知」』『経済成長って何で必要なんだろう?』『日本思想という病』(以上、光文社SYNODOS READINGS)、『日本経済復活 一番かんたんな方法』(光文社新書)、『彼女たちの売春』(扶桑社)、『夜の経済学』(共著、扶桑社)など。(webマガジン SYNODOS.jpより引用)

コーディネータ

角田由紀子さん
弁護士。セクシュアル・ハラスメントや性暴力、ドメスティック・バイオレンス事件などを多く手がける。
日弁連両性の平等に関する委員会委員、ジェンダー法学会理事、東京・強姦救援センター法律アドバイザー。
著書に『性と法律』(岩波新書、2013)、『性差別と暴力』(有斐閣、2001)、『性の法律学』(同、1991)など。
女性の安全と健康のための支援教育センター代表理事。 

日本の政治が、戦争ができる国に向かって大きく舵を切り始めたいま、わたしたちは表現しにくい不安と不信の中を生きているようです。それは若い世代にとって、とりわけ切実な問題ではないでしょうか。 
大きな二つの戦争を経た欧州のネオナチ勢力の動きから、「格差社会が広がると若年層が過激化し、排外主義に傾く」と述べる研究者もいます。現在の日本の格差社会は、戦争肯定を後押ししているのではないかとの懸念がつのります。 こうした状況下で、安定した仕事も住む場所もない若い女性たちのセイフティ・ネットの役割を、「風俗」が果たしているとの報道もあります。本来、行政が子持ちの女性などに提供すべき保育や住まいや仕事を、風俗関連ビジネスが提供しているからです。女性たちは、行政に期待することができなくなっているようです。でも、一時的にこうしたセイフティ・ネットにたどり着いたとしても、そこから明日の希望が生まれるわけではありません。 
このような社会にあって、わたしたちは、何をどう考え、行動すれば、女性たちの人権を守り、人間らしい生活を確立できるのでしょうか。 
まずはいまを生きる女性たちの実態を知り、生きるに値する社会と未来をどうつくり出していけばいいのか、その道筋を探っていくことが求められています。
若い女性たちの現実をよく知る三人のパネリストの話を聞きながら、参加者と共にこの難しい課題に取り組みたいと考えています。